こんにちは!『MEラボ』管理人のユウタです。
今回の勉強ノートのテーマは、臨床工学技士(ME)の専門性が最も問われる分野の一つ「透析液の清浄化と水処理システム(RO装置)」についてです!
患者さんは1回の透析(4時間)で約120Lもの透析液と膜を介して接しています。そのため、水質管理が不十分だと微量の毒素が体内に入り込み、慢性炎症や合併症の原因となってしまいます。
今回は、国家試験や現場でも超重要な「水処理システムの正しく詳しい順番」と「水質評価の基準値」をわかりやすく整理しました!
- 水処理システムの正しいフロー(上流から下流へ)
原水(水道水など)から安全な透析液原水を作るまでの装置の順番は以下の通りです。 - 原水
水道法に準拠した水質が担保されている水を使用します。 - 1次フィルタ(プレフィルタ)
孔径50μm程度の糸巻き型などのフィルタ。原水に含まれる砂やサビなどの懸濁粒子をろ過して除去します。 - 軟水化装置(塩タンク併設)
イオン交換樹脂により、水中のカルシウムやマグネシウム(硬度成分)を除去し、RO膜の目詰まり(スケール発生)を防ぎます。 - 活性炭フィルタ
原水に含まれる残存塩素(クロラミン等)や有機物を吸着・除去します。 - 2次フィルタ(チェックフィルタ)
活性炭の微粉末や前段から漏れた微粒子を取り除き、RO膜を保護します。 - RO装置(ROポンプ・RO膜)
ROポンプで高圧をかけ、逆浸透膜(RO膜)を通して細菌、エンドトキシン、電解質、重金属などを除去し、高純度のRO水を作ります。 - ROタンク & 紫外線殺菌灯 & UFフィルタ
作られたRO水を貯留し、紫外線照射による殺菌とUFフィルタによる最終ろ過を行って、送液ポンプで透析液供給装置へ送り出します。 - 水質管理の2大測定項目と基準値
透析液の品質を保つため、日本透析医学会(JSDT)のガイドラインに基づき、定期的に以下の2項目を管理します。
① エンドトキシン(ET)濃度
細菌の細胞壁に含まれる毒素(内毒素)です。
標準透析液の基準: 0.050 EU/mL 未満
ウルトラピュア透析液の基準: 0.001 EU/mL 未満(検出限界値以下)
② 生菌数(細菌数)
透析液中で増殖する可能性がある一般細菌の数です。
標準透析液の基準: 100 CFU/mL 未満
ウルトラピュア透析液の基準: 0.1 CFU/mL 未満 - MEが日常業務でチェックすべきポイント
残存塩素の測定(毎朝必須): 活性炭フィルタ通過後の水に塩素が残っていないか測定します(塩素が漏れると患者さんの溶血を引き起こすため超重要!)。
各フィルタの前後の圧力差確認: プレフィルタや2次フィルタの目詰まりがないか、差圧を点検します。
RO装置の供給圧・透過水量の記録: RO膜の劣化や閉塞を予防・早期発見します。
今日のまとめ
水処理システムは、前段のフィルタ類でしっかりゴミや塩素を除去してから「RO膜」を通すという流れがポイントです!
フロー: 1次フィルタ → 軟水化装置 → 活性炭 → 2次フィルタ → RO装置 → ROタンク/UF → 供給装置
ウルトラピュア基準: ET 0.001 EU/mL 未満 / 生菌 0.1 CFU/mL 未満
朝一番の「残存塩素チェック」はMEの命命(いのち)の業務!
正しい順番と役割を理解しておくと、機器の保守点検やトラブル原因の特定がスムーズになります!
これからも臨床工学技士の勉強に役立つ情報を発信していきますので、ぜひ参考にしてみてください!

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