こんにちは!『MEラボ』管理人のkoukiです。
透析室で患者さんのデータを見ていると、必ず出てくるのが「Kt/V(尿素クリアランス)」と「%CTR(心胸比)」という指標です。
どちらも「その患者さんの透析が十分に行われているか」「体内の水分量が適切か」を評価するための非常に重要な数字です。
今回は、この2つの指標の意味と目標値、臨床での見方をわかりやすく整理しました!
- 透析効率を示す「Kt/V」
Kt/Vは、「1回の透析で体内の水分(老廃物)がどれくらい清浄化されたか」を表す透析量の指標です。
記号の意味
K(Clearance): ダイアライザーの尿素除去率(mL/min)
t(Time): 透析時間(分)
V(Volume): 患者さんの体水分量(mL)
つまり、「ダイアライザーの性能(K)× 時間(t)」で得られた総処理量を、患者さんの体水分量(V)で割った値です。
目標値と基準
標準的な目標値: 1.2以上(1.4以上を目指す施設も多いです)
Kt/Vが低い(1.2未満)場合の原因と対策:
透析時間が短い → 時間の延長を検討
血流量(Qb)が低い → Qbの増量
ダイアライザーの膜面積が小さい → 膜面積の大きいものに変更
再循環やアクセスの脱血不良がある → バスクラーアクセスの評価・改善 - ドライウエイト(DW)評価の指標「%CTR(心胸比)」
%CTR(Cardio-Thoracic Ratio:心胸比)は、胸部X線(レントゲン)写真から心臓の拡大度合いを測り、体内の水分過多・不足を評価する指標です。
計算方法
%CTR = (心臓の横幅 ÷ 胸郭の横幅) × 100 (%)
目標値と見方
標準的な目標値: 男性 50%以下 / 女性 55%以下(※高齢者や心不全既往がある場合は高めに設定されることもあります)
%CTRが高い(拡大している)場合:
体内に水分が溜まりすぎている(オーバーフロー・DWが高すぎる可能性)。
胸水が溜まっている、または心不全の増悪。
→ ドライウエイト(DW)の下げる(除水量を増やす)検討が必要。
%CTRが低い(小さい)場合:
体内の水分が不足している(脱水・DWが低すぎる可能性)。
→ 透析中の低血圧や足の攣りの原因となるため、DWの上げを検討。 - データを見る時のMEの視点
透析室では、単に「Kt/Vが低い」「CTRが高い」という結果を見るだけでなく、「なぜその数値になっているのか」という原因にアプローチすることが大切です。
Kt/Vが下がってきた場合:
「脱血不良のアラームが増えていないか?」「シャントの狭窄で再循環が起きていないか?」といったメカニカル・アクセス面のトラブルを疑う。
CTRが上がってきた場合:
「最近の透析間体重増加(DWオーバー)が増えていないか?」「透析後半の血圧低下の有無」などを総合的に観察する。
今日のまとめ
Kt/Vと%CTRは、透析医療の質を担保するための2大指標です!
Kt/V(透析効率): 目標 1.2以上(処理量 / 体水分量)
%CTR(心胸比): 目標 50%以下(男性)/ 55%以下(女性)(心拡大・水分量の評価)
データと患者さんの状態(血圧・レントゲン・アクセス状態)をリンクさせて考えられるようになると、透析の勉強がより面白くなります!
これからも臨床工学技士の勉強に役立つ情報を発信していきますので、ぜひ参考にしてみてください!

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